千葉の湾岸エリアにお住まいの方の共通認識に「京葉線(武蔵野線)は風に弱い・すぐ遅れる」というものがあります。しかし、近年「2つの改善策」がとられ、そういった認識も過去のものになりつつあるようです。
改善その1 風に弱い→防風柵の設置
台風などで関東に強風が吹き、テレビやラジオの交通情報に真っ先に流れていたのは「京葉線 遅れ」という情報でした。新浦安にお住まいの方なら、ニュースのレポーターが新浦安駅前で撮影をしている風景を見たことがある方も多いと思います。これは、風が強い海沿いを走る京葉線の宿命でもありました。近年、関東に接近してくる台風が強力なものになってきているように感じますが、JR東日本も2006年より防風柵の設置を本格的に進めておりました。画像にある白い柵の向こう側に見えるグレーの柵が防風柵です。
2006年以降にJR東日本で設置された防風柵19箇所のうち、7箇所が京葉線で設置されました。武蔵野線も2箇所設置されていますので、トータルで約半分がこの路線の強化に使われたことになります。
改善その2 すぐ遅れる(ダイヤの乱れ)→武蔵野線の折り返し運転地点増
東京~市川塩浜間において京葉線と同じ線路を走る武蔵野線ですが、距離総延長は100キロを超え、東京都からはじまり千葉県、埼玉県を経由して東京都をぐるっと大回りに走っています。当然、その間に天候などによる遅れはつきものになっており、その余波で京葉線も遅れることも多くあります。
ダイヤが乱れた際に折り返し運転などの臨時ダイヤになることがありますが、武蔵野線は西船橋と南越谷でしか折り返しができず、その際は1時間に1,2本しか運行できなくなり、さらにダイヤが乱れてしまう、ということがありました。
しかし2012年3月、吉川と新三郷の間に新駅「吉川美南駅」が開業すると、そこでの折り返し運転も可能になり、ダイヤの乱れを少なくすることが可能になりました。
改善の結果 運転中止・速度規制時間が50%以上減少!!
JR東日本サイト:防風柵設置による輸送障害対策について より(PDFファイルが開きます)
このように、京葉線・武蔵野線ともに運転中止時間と速度規制時間が50%以上減り、武蔵野線の運転中止時間に至っては92%の減少となりました。着実に効果が出ているようです。毎日電車で新浦安に通勤している私の個人的な感覚でも、遅れることや止まることがかなり減ったように思います。
新浦安から東京は快速で15分、舞浜からなら12分、と東京駅直通の電車としてはかなり便利な京葉線です。こういった欠点も徐々に克服しつつあり、さらに人気の沿線になるのではないでしょうか。
追伸 以前、京葉線の東京駅が乗換えの際に不便だ、という方に向けて、京葉線東京駅の便利な側面を記事にしました。興味ありましたらご覧ください。→ あの不便な京葉線東京駅を浦安市民が便利に使う方法