こんにちは、小野です。
これからご紹介させて頂きます、『低燃費住宅』とは、ただ単に“低燃費な住宅”であるということではなく、その名称で商標登録をされている商品名であります。
家一軒を建てるために使用する全ての部材とその量・品質・加工・施工において、
私たちのこだわりや知識、考えと裏付けがあるということを、このブログを通じて皆様に知って頂ければ幸いです。
今回のテーマは、『低燃費住宅』×『自然素材』です。
皆さんは、現代の日本の住宅のほとんどが「新建材」と呼ばれる部材を利用して建築されているのはご存知でしょうか?
新建材というのは、戦後の日本の住宅不足と、輸入を強いられ余ってしまった木材をさばき切る目的で作り出された建材です。
例えばフローリングですが、断面を見るとはっきりと分かるのですが、いくつもの薄いベニヤ板をボンドで張り合わせ、表面だけは格好よく仕上げられています。
このフローリングが生産される過程で使われる、ベニヤやボンドからはシックハウス症候群を引き起こす揮発性が高いホルムアルデヒドやアセトンなどの有害物質が多く発生します。
環境先進国ドイツでは、室内環境の審査基準が厳しく、このような部材を使っての住宅建築はほとんど許されないという仕組みを国家をあげて規制されています。
その目的は、「人の健康を害するような住宅を作ってはならない」です。
そこで、登場するのが「自然素材」です。
日本では、特別な響きを感じるこの言葉。
諸外国では当然のように自然素材が使用されている為、特別だと思われることはありません。
海外で当然のように使用され続けている「自然素材」を、
私たちは日本で当然のように使用しております。
さて、具体的にどのような部材を使用しているかをご覧頂きます。
フローリングには無垢材という本物の木だけを使用し加工したものを採用しております。
木特有の香りが漂い、肌当たりが非常にやわらかく、熱伝導率(体温が奪われる力)が低いため、同じ温度の新建材フローリングとは体感温度ではとても暖かく感じます。
そして、壁材にもこだわりがございます。
日本の一般的な住宅では“壁紙”と呼ばれている“ビニールクロス”を壁・天井に貼られています。
ビニールクロスを使いながら壁紙というのは少し違和感がありますが、
なによりビニールを使用していることで通気性は一切ないことに注意しなければなりません。
壁・天井というのは、家のなかで一番面積を占める部分であり、そこをビニールで囲ってしまうということは家の呼吸を止めてしまうことになります。
すると、湿気の調整が出来ず、結露が発生し、カビが生える大きな原因となります。
築10年以上経ったお宅でよく見かける隅っこのカビは、こういったことが原因で発生しています。
タンスを退けるとこういった状態はざらにあります。
エアコン近くは湿気の溜まり場です。
『低燃費住宅』では、漆喰(しっくい)の塗り壁と、部分的に紙の壁紙や透湿性のある壁紙をしようしております。
漆喰の土壁は、室内の湿度を調整する役割を兼ね備えています。
夏、湿気が多い日は吸収し、
冬、湿気の少ない日は排出してくれるため、
室内を人の居心地が良いと感じる状態へと近づける効果がございます。
そして、漆喰はアルカリ性であることから、カビの発生を抑制する能力もとても高いのです。アルカリ性で雑菌は生息できず、漆喰では麹菌しか生きられません。ヨーロッパではワインや生ハムを漆喰壁の部屋で作っていました。
漆喰は空気清浄もしてくれるので、常に空気が綺麗な状態を保ってくれます。
赤ちゃんや、アレルギーの持病をお持ちの方には、とても身体に良い空間を提供してくれます。
実際に、長年の温泉治療でも治らなかったアトピーの患者様が、この家に住むようになって数ヶ月で完治した事例もございます。(アレルギーというのは、そもそも家の空気環境に問題があるため発生することが大きな要因なので、治って当然のことなんですけどね。)
その他、各部屋の扉にもフローリングと同じ無垢材を、幅木にも無垢材を、屋根には瓦を使用しております。
そして更には、断熱材に対してまでも、自然素材プラスαのこだわりを持って『低燃費住宅』は作られています。
それは、次回 『低燃費住宅』×「断熱」 のテーマのときに、詳しくお伝えしたいと考えておりますので、
またときどきチェックして頂ければと思います。