新入社員のほとんどは、「仕事は上司から学ぶものだ」と思っているようですが、それは間違いです。
確かに、最初の3ヶ月位はそうかもしれません。
しかし、企業の理念や仕事の順序や礼儀作法等を一通り学んだ後は、
「仕事は現場でお客様に教えて頂くもの」です。
「仕事とは何ですか?」……そうです、仕事とは、
「お客様の要望に応えて、物やサービスを提供して、満足して頂いた時初めて
『有り難う』と言ってお金を支払って頂けるもの」です。
ですから、お客様の要望に応えるためには、お客様の要望を聞き出し、
「何がお客様の本当に求められている要望なのか」をお客様に聴き、
その言葉と言葉にならない目付きや態度から学び取るしかないのです。
それが「全てはお客様から学ぶ」、と言うことです。
そのためには、まず聞き上手にならなければなりません。
次には、「お客様のご希望は○○○○な事ですね?」と「確認」を取ることです。
それができたら、第3 に、では「この商品では如何でしょうか?」「このようにしてはどうでしょうか?」
と「同意を得る必要」があります。
これでお客様は、貴方を「この担当者は、私の話をよく聴き、私のために仕事をしようとしているな」と感じて、
いろいろの要望事項をお話しして頂けるようになるのです。勿論、このやりとりの中で、
貴方が売ろうとしている物やサービスの専門知識を身につけていないと信頼されませんが、
そこは懸命に学べば直ぐに身につきます。
例えば、私は不動産会社に入社して1 週間は、自転車で案内するアパート150 室を全部見て回り、
窓は南向きか、トイレは和式か洋式か、風呂はシャワー付きか、追い焚き付きか、キッチンは綺麗か、
ガスは都市ガスかプロパンか、駅から歩いて何分か、途中の道は危険か、食堂やコンビニは近いか
等々全てを頭にたたき込み、30 分位お客様の要望を聞いたら、
「それなら、このアパートとこのアパートが良いですね」と3、4 戸紹介して案内し、帰りの車の中で
「どれにしますか?」と聞き、93%の確率で入居申込みを取り、1ヶ月目からその店舗の新記録を
つくることができました。仕事はそんなものです。
たとえ貴方が入社4 ヶ月目の若い新人でも、多少の知識不足があっても、
貴方がお客様のために熱心に何かをしよう、としていることを感じたら、お客様は大目に見て下さいます。
「これだけ熱心にやってくれるのなら、恐らく後ろに優秀な上司が居て、私の要望を叶えてくれるだろう」
と感じるからです。
ですから、入社して4 ~ 5 ヶ月したら、経験不足は営業成績の言い訳になりません。
仕事は、ベテランだけが稼げるのではありません。入社6 ヶ月の新人でも
「お客様に聴き、教えてもらう」という姿勢の社員は、ベテラン以上に稼げるはずです。
経験が浅くても、今自分がやっている仕事の現場にかじり付いて熱心に学べば、幾らでも身につく物があります。
「仕事はお客様と接する現場にこそ利益の根源がある」からです。
横綱の初代若乃花が、「お金は土俵の上に転がっている!」と言いましたが、
これが仕事で成功し、お金を稼ぐ基本です。
儲かっている企業や店舗は、現場を大事にして、そこに来るお客様から学び、お客様に満足して頂き、
「有り難う」と言ってお金を払って頂いているのです。
お客様に「何が欲しいですか?」「どんなことをしたら喜んで頂けますか?」「どんなことにお困りですか?」
「どんなことがしたいですか?」「これはどうですか?」「こうしたらどうですか?」等々と率直に聞くこと、
「確認」と「同意」を得ることは難しいですか?難しく考えないで率直に聞いたら良いのです。
それだけで良いのです。そうすれば、全てをお客様から学べます。