① 4月の初旬に京都の桜見物に行きました。
秀吉が関白になった記念の園遊会用に植えさせた醍醐寺の桜700本の桜は古い国宝の本堂を背景に見事でした。
平安神宮のしだれ桜は空一面に薄桃色が広がってこの世の極楽を思わせるものでした。古寺と桜の組み合わせの京都は見頃でした。
② 三十三間堂の1030体の仏達は、後白河法皇が源氏と平家の争いの中で、平和を願って、運慶、湛慶に依頼して創ったとされる、今にも仏の慈悲が目に見える国宝です。
中でも風神、雷神を初めとする28体の千手観音を守る仁王、四天王、一二天、一六善神等は強く勇ましい形相で迫ってきます。
如何に混乱した戦乱の世の中であったかを想像させます。桜に浮かれている現代の日本人が如何に幸せな世に住んでいるかを有り難く思いました。
③ 三十三間堂の近くの養源院では、「血塗り天井」を見ました。
織田信長に殺された浅井長政の娘豪姫(信長の孫)が母お市の方と父長政を弔う為に建てたお寺で、非業の死を遂げた侍衆の血染めの廊下の板を天井に張ったものです。
この戦国時代に生きた人の想いと、平和を願う想いが交錯して、折からの強風で散る桜の花びらの中で、平和であることの幸せを噛みしめました。
そこから出た後の桜の何と美しかったことか。