今の家に抱える悩みを繰り返さないように作ることが大切だと思います。
わたしも職業柄、多くの方とお話しする機会があるのですが、
今の自宅の悩みで特に多いのが、「湿気」や「結露」の問題です。
でも、実はこの問題が原因となり建て替えなければならない状況に陥っていることに、ほとんどの人が気付いていません。
そもそも、なぜ建て替えなくてはならないか?
日本における木造住宅の建て替えの平均築年数は、およそ26?30年です。
これを聞くと、
木造住宅は寿命が短い=木は弱い
と考える方が大半です。
しかし、木というのは材木となってから200年以上の歳月をかけて最も高い硬度に達し、
そのあと建築時の硬度にまで低下するのに1000年の歳月を要します。
要するに、本来であれば新築時よりも築30年経過した住宅の方が強く在らねばならないのです。
それなのに、建て替える方の大半が「老朽化」を原因に、リフォームではなく新築・建替えを選択しているのです。
それは、液状化で家が傾こうが、そうで無かろうが同じです。
近所で築10年くらいの新しい家が、傾いたことを理由に取り壊して、新築していますか?
私も、液状化によって傾いてしまった家を300件以上訪問しましたが、
築年数に関係なく、根本的に破壊されたお宅は1件しかありませんでした。
そのお宅は、増築に増築を重ねたため、複数に分かれた基礎がバラバラに動いてしまったため、
土台や柱などの家の構造体である木部が破壊されてしまったのです。
しかし、こういった事例は非常に稀であり、基礎を分離させず一体で打設している住宅の構造体は、
液状化で破壊されることは滅多にありません。
ただし、それは木部が腐っていないことが大前提となります。
(次回に続く)