こんにちは、小野です。
一昨日、帰国しましたが、まだ時差ぼけています。
一週間、スペインに行ってきました。
生まれて初めて、ガウディの建築に触れることができ、感無量でした。
ガウディ建築といえば、世界遺産のサグラダファミリアが有名です。
もちろん見に行きました。
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まず最初に驚いたこと。
正面入り口の「生誕の門」に、大聖堂独特の重厚感のある扉が設置されていなかったことです。
href=”http://stat.ameba.jp/user_images/20121125/10/hiroono1005/a7/d6/j/o0800060012301833904.jpg”>
実は、扉に関するガウディの資料は一切残されていないため、
どういった門を作ればよいのか不明だったため、現在まで扉の作成には着手できなかったそうです。
そして、いよいよサグラダファミリアも完成に近づいてきたため、(現在、全体の75%が完成しているそうです)
扉の製作に着手することになり、
そのすべてのデザインの権限が、外尾悦郎さんという日本人彫刻家(彫刻部門チーフ)が一任されました。
↓これが完成予定図です(サグラダファミリアの地下に飾られています)
href=”http://stat.ameba.jp/user_images/20121125/10/hiroono1005/05/d7/j/o0800060012301839074.jpg”>
ちなみにサグラダファミリアの建築に関わる各デザイナーは1年契約なのですが、
なんと、この外尾さんは35年間もこの契約を延長され続けている、凄腕デザイナーなのです!
そして最近になり、その扉のデザインが決定し、
サグラダファミリアは世界遺産なので、各国の厳しい審議に掛けられ、見事に認可されたのです。
・・・では、そのデザインとは?
サグラダファミリアのなかでも最も重要な
正面玄関扉のデザインを一任された外尾さんは、
「ガウディならどうしただろう?」
と毎日、頭を抱えて悩んでいました。
そしてある日、入り口周辺に描かれているの「地球上の生き物」(これはガウディが設計図を残している)の中に、
唯一描かれていなかった生き物がいることに気がついたのです。
それは・・・、『昆虫』でした。
それに気がついた外尾さんは、
「ガウディなら、“何年も地中で眠ったのち、地表に出てくる昆虫たちの力強い姿” を正面扉という地面に一番近いに彫刻したに違いない」
と解釈し、それを確信したのです。
外尾さんは、
「ガウディについて必死で調べたり、考えているうちはガウディの考えが全く分からなかった。
でもそれをやめて、ガウディの見ている方向を自分も見るようにしたときに、彼の考えがすべて分かるようになった」
と言っています。
これは、孔子の
「師の跡を追わず、師の求めたるところを求めよ」
(尊敬する人を目指すのではなく、尊敬する人の目指す所を目指しましょうということです)
という、論語と共通する考えだと思いとても感激しました。
そして、「生誕の門」の扉は、主に青銅製で高さ6?7メートル、
表面にアヤメや野バラなどの植物やテントウムシやトンボなどの昆虫が立体的にデザインされることが決定しました。
そして、なんと日本で鋳造し、スペインで彩色するという計画で、2015年中の完成が見込まれています。
なので、サグラダファミリアを見てみようと計画中の方は、
2015年以降に行くことをおすすめします^^
更に、建物内の様子ですが、こちらもまだ未完成です。
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ここでも、非常に興味深い話を聞くことができました。
実は、内部の床はまだコルクで仮設されているだけなのです。
これには理由があり、
これから建物内のほとんどすべての窓がステンドグラスになる予定ですが、
ステンドグラスを通り抜けた太陽の光は、様々な色に変化して床に落ちますよね?
ガウディは、
「床に降る光の色合いを見てから床のデザインに着手してほしい」
と設計に関する遺言を残していたそうです。
これを聞いたとき、鳥肌が立ちました!
ガウディが生涯の財産をすべて注ぎ続けたこのサグラダファミリアへの絶対に妥協しないという信念を実感しました。
築100年の建築物から、
大きな力をもらうことが出来たような気がします。
僕らの建物も築200年以上を目指して建築しているので、
ガウディに感心してばかりもいられません。
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