こんにちは、小野です。
今日は浦安市にて2件の被災されたお宅へ訪問し、
傾き修正の打ち合わせをしてきました。
ただ、この2件のどちらとも築30年を超えるお宅で、
前の所有者から中古で購入した際、建築当時の図面を引き継いでおらず、
形状を判断することが出来ませんでした。
特に、傾き修正の工法を選ぶ際に一番重要と言える『基礎』の形状が判断できないのは大きな問題です。
今回お伺いした2件の家主様は、
どちらも『ベタ基礎』だと思う。
とのことでした。
理由を聞くと、「点検口から床下を覗いたときに全面をコンクリートで打っている様に見えたから」とのことでした。
確かに、ベタ基礎は家全体を鉄筋コンクリートの板で “面” として受け止めさせるために施工されるので、
床下を覗き込むとコンクリートで囲われています。
しかし、床下を覗き込んだ際にコンクリートで全面を囲われていても、
布基礎の場合が多々あります。
布基礎とは、ベタ基礎の様に家を面で支えるものではなく、
主要な壁の下にのみにレールのように敷かれているため、
床下を覗くと、地面(土)が露出しているのが一般的です。
しかし、大手ハウスメーカーの場合、
その地面(土)から上がってくる湿気を防止するため、
基礎を線で造作したあと、見えている地面の表面に薄く(5cm程度)セメントやモルタルを流し込んでいることが多く、
これが皆様の判断を狂わせてしまっています。
そして、判断を誤って『ベタ基礎』の様に見える『布基礎』を液材注入工法などで持ち上げてしまった場合、
建物が持ち上がらないだけではなく、
基礎や建物までもを破壊してしまう可能性がありますので、
くれぐれもご注意して頂きたいと思います。
図面が見つからない方は、
前の所有者や、建築会社に問い合わせるなどして必ず図面や、
基礎を施工している際の写真などを確認してください。
どうしても見つからない方は、
布基礎に対して行う工法であれば最悪の状況は避けられますので、
金額は高くなってしまうかもしれませんが、
そちらをお選び頂くことをお勧めいたします。