こんばんは、小野です。
最近、液材を注入する工法の危険性についてお客様からよく質問されますが、
きちんと事前調査と施工計画を考えてくれる、経験豊富な業者選びをすれば、
その危険性を最小限にすることが可能です。
地中の見えない部分のことなので、絶対に大丈夫ということは言えません。
というより、たとえ可能性が1%未満だとしても“絶対”とは言ってはいけないのです。
もし、そういったことを話す業者がいたとすれば、嘘をついて調子が良いことを言っている、と認識された方が良いと思います。
実は、隣地への影響などの危険度でいうと、新浦安エリアにおいては、
耐圧盤工法や、アンダーピンニング工法の施工による危険度の方が高いと言えます。
特に、『地下水位』に注意です。
施工の工程で、これらの工法のほとんどは、家屋の下に深さ約1.5?2.0mのトンネルを掘削して施工します。
これには、家の中での施工が必要なくなるというメリットはあります。
しかし、このトンネル工事が最大のデメリットであります。
例えば、地下水位が1mだとします。
(弁天などでは、地下水位50cmというほとんど地表であるといっても良いほど水位が高い場所もあります)
それに対して、1.5?2.0mのトンネルを掘ると、どうなるでしょうか?
当然、トンネルには水が溢れ出してきます。
水がどんどんトンネル内に溜まり、工事どころではありません。
そうなってしまったほとんどの家は、
健全な工事現場ではまず必要としない、『ポンプで水を外部に排出する』という作業が発生します。
これによって、通常2?3週間程度の工事が、
延期せざるを得なくなり、1ヶ月?長いところでは3ヶ月かかってしまう場合がほとんどのようです。
ただ、業者も浦安の地盤には自分たちの工法が適していないことを理解し始めているため、
それでも仕事を取ろうとする悪質な業者は、最初から1ヶ月以上掛かって当然のように説明し、
自分のところではその工法しかできないので、他の業者の工法を非難することで仕事を取ろうとしているそうです。
こういった業者には本当に気をつけてください!!
私がいつも相談を受けてもらっている、全国的に有名な大手の地盤会社の担当によると、
「浦安市では、耐圧盤工法は不適合なので施工を勧めないように指導している」
とも聞いています。
私はそこまで、言わなくてもいいんじゃないかとは思いますが、
少なくとも事前の調査で地下水位が2.5m以下(3.0mだと安心です)にあることを確認されたうえで、施工することは最低限必須だと思います。
トンネル内に溢れ出す地下水は、隣地から流入してくるものがほとんどで、
隣地から水分が流れ込んでくることは、周辺の土地を地盤沈下させてしまう危険性がありとても危険です。
それにより、隣の家が傾いてしまう可能性に対する責任のリスクや、
また、トンネル内で施工中に大きな地震が発生した場合、トンネルが崩れ落ち、作業員が生き埋めになってしまうかもしれないリスクを想定しなければなりません。
そして、この工法を提案する業者は、それらのリスクを必ず説明した上で、施工を請け負わなければならないと私は考えます。
私のところに相談にいらっしゃる方々には、耐圧盤工法も含めて、
11工法すべての工法のメリット・デメリット・リスクを説明させていただき、
ご自宅にとって、どの工法がメリットが多く、デメリットやリスクが少ないかを判断して頂いたうえで、工法を選ぶようにお手伝いさせて頂いております。
少し角の立つ内容になってしまいましたが、
悪質な業者が目立つようになってきましたので、
勝手ながら厳しく指摘させて頂きました。
また報告させていただきます。