下記のグラフは2008年以降の浦安市内全域におけるマンションの取引単価の推移を年ごとにまとめたものです。
浦安市内の土地戸建の取引推移と若干の差があります。
戸建は建物の建築の様相によって大きく値段が上下し個別性が強く出てしまいます。
統計的な類推に際しては、戸建に比べ個別性が低いマンションの事例をひとつの参考にしたいと思います。
《2008年ごろ》
ミニバブルと呼ばれた不動産市況が活況を見せていた時期でしたが、2008年秋に変化の兆しが見えてきます。
サブプライムローン問題やリーマンブラザーズ破綻による世界経済の悪化がありました。
それを契機に浦安市内の不動産売買成約数も減少する傾向が強まりました。
それ以前の期待感があったが故に売出値は高い時期でしたが、実際の成約価格は大きく下がるという時期でした。
《2009年~2010年》
前年の動きを受けて、売出価格は大幅に下がったものの、それほど成約価格は下落しませんでした。
2010年に入り麻生政権により導入された住宅ローン控除の大幅拡充を契機に再び価格上昇の場面を迎えます。
価格も急激に上昇し、物件によってはミニバブルの時代を越す勢いで値上げしていった時期でした。
《東日本大震災~2012年夏頃》
東日本大震災により状況は一変しました。
売出物件数に対しての購入検討客が少なくなってしまったが故に、一気に流通物件数が増加しました。
特に震災後3ヶ月は売出物件数は通常通りの数値でしたが、ほぼ購入問い合わせがない状況でした。
ただただ物件数が急激に増えていった時期でした。
4ヶ月以降に取引が徐々に開始されましたが、物件の流通数の増加に呼応する様に値引きの動きが強まりました。
次項のグラフは市場に売りに出されている金額と実際の取引における金額との差額をまとめたものです。
前年の交渉率が2.5%だったのに対し、4.5%にまで上昇します。
取引価格の下落が止まらない時期でした。
ただ、値下がりの動きが顕著だったのは新浦安エリアの物件でした。
液状化がなかった浦安エリアのマンションは、下記グラフの通りあまり値下がりませんでした。
《2012年秋口~2013年夏》
民主党政権下において消費税増税法案を可決した前後からまた潮流が変わりました。
それ以降消費税増税について具体的な話が進むにつれ、変化が見られるようになりました。
それまで動きの少なかった土地取引も復調し、安値ではありましたが取引が成されるようになりました。
しかし大幅な取引価格の上昇にまでは繋がりませんでした。
依然として交渉率も3.5%前後と震災以前に比べ高く、取引相場は停滞していました。
《2013年秋口~現在》
東京オリンピック招致が決まり、ようやく浦安の不動産市況も上昇に転じました。
2020年を目指して東京界隈の地価は上がっていくだろうと考える方が増え、投資目的の方も増加しました。
結果、急激に流通物件は減少し、過去の取引金額を上回る形での成約も増加しました。
2014年に入り新浦安駅前およびシンボルロードの大規模改修が完了致しました。
それを契機に新浦安エリアの不動産市況も急激な回復を見せました。
交渉率も震災前の水準である2.5%に戻りました。
特にそれまで値下がりが顕著だった新浦安エリアのマンションの取引価格が著しく上昇しております。
これからしばらくは新浦安の物件価格は上昇のサイクルに乗ったように思います。
今回取り上げた取引データは2008年以降の浦安市内全域のマンションデータです。
2008年以前のデータや個別のマンションの取引データ、土地戸建の取引データも弊社ではデータベース化して保管しております。
ご自宅の正確な相場価格など、もしさらに詳しくお知りになられたい方はお気軽にお問合せ下さい。